top of page
MIFUNE PHOTO EDIT-1M.jpeg

   H O W L


 

 『吠えて遠くの誰かに伝えること 遠くの山に吠えて 山の向こうから遠吠えが帰ってくること』

 古来から動物が使ってきた、歌のような言葉のようなそのコミュニケーションで呼びかけたいのは まだ知らない誰か、もう知ってる誰か、

 ここ3年間の特に日本において生活で失われたのは肉体的感覚だと考えるようになりました。

人と合わない、あっても社会があまり以前のようには機能していない独特の寂しさとドライさに僕の心や肉体はすっかり冷めてしまって、以前のように人間に一喜一憂することがとても難しくなってきてしまったような、

 漠然とした孤独感をみんなが少しづつ懐に忍ばせながら生きているような。

 少しづつポストコロナが見え始めた世界で、僕は人間の心が、自由を謳歌する瞬間や無駄な駄弁り合いや、肉体が弾けるような瞬間を閉じ込めた、元気な楽曲たちと、美しさと、戦争への怒り。小さな孤独感を抱えて新しい地平に飛び出してゆく勇気を讃えたいと思いました。

  忘れられた肉体を取り戻す

  忘れられた喜びを

  自分の体を震わせて吠えることで思い出す

  自分の肉体の可能性を

  誰かが吠えかえしてくれることでわかる

  一人ではないというどうしようもない事実を

  たった四文字と音楽で伝える

  勇気と繋がりの作品です。

 萩原朔太郎は犬の孤独と寂しさを歌いましたが 僕のHOWLのそれはオオカミに近く、孤独を感じさせない希望の響です。

2022年10月 三船 雅也

"HOWL" Tour 2022-2023 ~Final~ at 人見記念講堂|2023.3.10

photography : 岸田 哲平 @TeppeiKishida